建築士学科試験(施工)左官工事についてまとめてみました。
左官工事はセメントモルタルについての出題が多く出ています。
モルタルについての学習を集中的にしていきましょう。
また、問題としては左官工事・タイル工事・石工事についての問題をまとめて一つの分野で出題されています。
★左官工事についての出題例
Q.左官工事、タイル工事及び石工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.屋内の床面のセルフレベリング材塗りにおいて、材料が硬化するまでの間は窓や出入り口を開けて通風を確保した。
2.壁のセメントモルタル塗りにおいて、1回に練り混ぜるモルタルの量は、60分以内に使いきれる量とした。
3.外壁のタイルに密着張りにおいて、張付けモルタルの1回の塗り付け面積は2㎡以内とした。
4.屋内の床面へのモザイクタイル張りにおいて、あらかじめ下地となるモルタル面に水湿しを行った。
5.外壁の乾式工法による石材の取り付けにおいて、石材間の目地幅を8mmとし、シーリング材を充鎮した。
A.1 セルフレベリング材が硬化する前に風が当たると、表層部分だけが動いて硬化後にしわが発生する場合がある。したがって、流し込み作業中はできる限り通風をなくし、施工後もセルフレベリング材が硬化するまでは、甚だしい通風は避ける。建築工事管理指針。
引用元:二級建築士 日建学院過去問題集チャレンジ7
■目次
セメントモルタル塗り
セメントモルタルの塗り手順について。
下塗りーーーむら直しーーー中塗りーーー上塗り
面積によって養生期間を変更する。
面積が小さい場合は下塗り後すぐに行い、14日以上放置する。
面積が大きい場合は14日後に行い、7日以上放置する。
調合の割合
富調合(強度が大)・・・セメントに対して砂の割合が小さい。
貧調合(強度が小)・・・セメントに対して砂の割合が多きい。
塗り工程ごとの注意点
下塗り・・・2週間以上放置し、ひび割れを十分発生させる。
中塗り・・・水湿(散水)を施し、吸水性を調整した後行う。
上塗り・・・中塗りの硬化の工程を見計らい行う。
各層のモルタル調合と仕上げ面
下塗り | 中塗り | 仕上げ | ||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
セメント:砂 | 1;2.5 | 1;3 | 1;3~3.5 | |||||||||||
塗り面の仕上げ状態 | 金ぐし荒らし 目をつける。 |
定規塗りにより 平坦に仕上げる |
こてむらのない よう仕上げる |
コンクリート壁下地の調整
コンクリート表面に硬化不良等がある場合は、デッキブラシ等で水洗いを行う。
打継ぎ、コールドジョイント部分で漏水の恐れがある箇所は防水処理を行う。
塗り厚及び作業上の注意点
1回の塗り厚は6mmとする。(総塗り厚は25mm以下とする。)
1回に練り混ぜるモルタルの量は60分以内に使いきれる量とする。
早期乾燥防止のため通風は避ける。窓などを閉めた状態で行う。
ビニル床シートの塗り厚は、仕上げの厚さを含んで30mmとする。
その他塗り
せっこうプラスター塗り
硬化が早くひび割れが少ない。
下塗り・中塗りは加水後120分以上、上塗りは90分以上経過したプラスターは使用しない。
上塗りは中塗りが半乾燥状態で塗り付ける。
しっくい塗り
下塗り→むら直し→鹿子ずり→中塗り→上塗り
セルフレベリング床工法
職人による左官仕上げを必要としない。
まとめ
左官工事は乾燥について・塗り厚・時間を確実に学習しておぼえましょう。
また塗り回数についてのひっかけやタイル張りとの内容を混在させるひっかけ問題には注意が必要です。