建築士学科試験(構造)地盤・基礎についてまとめてみました。
出題パターンは地盤についての説明や現象の理解度が試される問題や、基礎についての種類の特徴から出題される傾向が多いです。
文章内の不適切な語句など、見極める問題に慣れておきましょう。
★地盤・基礎(構造) 出題例
Q.基礎構造及び地盤に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.基礎梁の剛性を大きくすることは、不動沈下の影響を減少させるために有効である。
2.地盤の支持力は、一般に、基礎底面の位置(根入れ深さ)が深いほど小さくなる。
3.沖積層は、一般に、支持地盤として安定している洪積層に比べて、支持力不足や地盤沈下が生じやすい。
4.一般の地盤において、地盤の長期許容応力度の大小関係は、岩盤>密実な砂質地盤>粘土質地盤である。
5.軟弱地盤において、杭の周囲の地盤が沈下することにより、杭の周面に下向き作用する摩擦力を「負の摩擦力」という。
A.(2)基礎の根入深さは、深いほど許容応力度が大きくなるので、支持力は大きくなる。
■目次
地盤についての現象と地層の種類について
地層
地層は沖積層と洪積層に分かれる。
大小関係は、洪積層の方が古い地層で支持地盤としては安定している。
※沖弱で憶えておく。
地層については、砂質土はN値が小さいほど液状化を起こしやす。
粘土層は、長期間圧縮力を受けると圧密沈下を起こしやすい。
地下水位について・・・高いほど地下外壁に作用する力は大きくなる。
土の粒径の大小関係と地耐力
礫(レキ)>砂>シルト>粘土>コロイドの順になる。
地耐力はN値が大きい地盤ほど大きいが、砂質土と粘性土とでも異なる。
基礎について
種類
直接基礎・・・基礎スラブから直接地盤に荷重を伝える。根入れの深さが深いほど地盤の支持力が大きい。
独立基礎・・・単一の柱から荷重を独立したフーチングによって支持する基礎。不動沈下の抑制に不利である。
支持杭・・・軟弱な地層を貫いて硬い地層まで到達させ支持させる杭のこと。
摩擦杭・・・上部構造が軽量な場合や硬質地盤が得られないときに建物を支持させる杭。
地盤の許容応力度
地盤 | 長期許容応力度[kN/㎡] | ||||
---|---|---|---|---|---|
岩盤 | 1000 | ||||
団結した砂 | 500 | ||||
土丹盤 | 300 | ||||
密実な礫層 | 300 | ||||
密実な砂質地盤 | 200 | ||||
砂質地盤 | 50 | ||||
硬い粘土質地盤 | 100 | ||||
粘土質地盤 | 20 | ||||
硬いローム層 | 100 | ||||
ローム層 | 50 |
設計について
基礎
・基礎は異種の併用禁止である。
・基礎における鉄筋に対するコンクリートのかぶり厚は捨てコンクリートを含まない。
・風圧力は計算しない。
・接地圧とは基礎スラブ・杭先端と地盤の間に作用する圧力のこと。
杭基礎
・許容支持力は杭の支持力のみ。スラブ底面における地盤の支持力は加算しない。
・場所打ちコンクリート杭の断面積は、杭の全長にわたって各部分設計断面積以下であってはならない。杭は1m以上支持層中に貫入させる。
・既製コンクリート杭の1本の長さは15m以下とする。
・杭の中心関間隔は杭頭部の径の2.5倍以上かつ75cm以上とする。
・木杭は腐食防止のため、常水面以深に確実に配置する。
まとめ
構造の基礎・地盤については、施工との違いとして設計の注意点や、応力の大小などに関する問題になります。
施工の仕方についてや材料の名称などについては、別で施工分野にてまとめます。
剛性や支持力などに関する知識を理解しておくことが重要です。