建築士試験の学科(法規)の面積・高さの算定についてまとめてみました。
法規は計算問題と法令集の早引きが勝負です。
面積の算定などについては、ある程度頭の中で解法の手順を把握しておくと、
試験での応用問題にも対応できるかと思います。
過去の問題からは敷地・高さ・延べ床や階数についての可否を計算して正しい正解や、不正解を求める問題が出題されています。
下記のH24年の問題を参考に解法についてまとめてみました。
★面積・高さの算定 出題例
図のような建築物に関する次の記述のうち、建築基準法上、正しいものはどれか。ただし、図に記載されているものを除き、特定行政庁の指定などはないものとし、国土交通大臣が高い開放性を有すると認めて指定する構造の部分はないものとする。
1.敷地面積は、300㎡である。
2.建築面積は、80㎡である。
3.延べ面積は、152㎡である。
4.建築基準法第56条第二号に規定する高さを算定する場合の建築物の高さは、9.5mである。
5.階数は、2である。
A.(4)高さは9.5である。
引用元:H24二級建築士学科試験 法規より
■目次
敷地面積についての解き方
14m×20m=280㎡
「令2条1項一号法42条2項の規定に基づいた道路」は中心線から2mの線を道路境界線とみなすので、2m道路の場合の計算は(15m+1-2=14m)となる。
ちなみに6m区域内の場合だと中心線で3mになる。
問題は300㎡なので間違いである。
建築面積について解き方
令2条1項二号。建築面積の算定において、バルコニーや庇など外壁又はこれに代わる柱の中心線から1m以上突き出たものは、その端から1m後退した線で囲まれた部分の水平投影面積を算入する。
8m×(10m+0.5m)=84㎡
問題は80㎡なので間違いである。
延べ面積についての解き方
各階の床面積を計算する。
➀1階:8m×9m=72㎡
➁2階:8m×10m=80㎡
➂PH:3m×5m=15㎡
延べ床合計=167㎡
注意するのは、バルコニーの面積は延床には算入しないので必ず覚えておくこと。
※令2条1項四号より。
問題は152㎡なので間違いである。
高さの算定についての解き方
建築物の高さは、引っ掛け問題として出題されることが多いです。
まず、単純に高さを計算していく。
1階の高さが4m。
2階の高さが3m。
PHの高さが2.5m。
合計で9.5mである。
回答通りこのまま9.5mであれば正しい。
ひっかけとして考えられるのは、PHの高さについてである。
PHの水平投影面積の合計が建築面積の1/8以内であれば、12mまではPHの階自体は高さに算入しない。
建築面積は84㎡(8×(10+0.5)=84)なので、84×1/8=10.5になる。
PHの床面積は15㎡なので1/8を超えている。
したがってPHの2.5mは高さに加える。
※令2条1項六号ロ。
問題は9.5mなので正解である。
階数についての解き方
上記の高さの算入と同じで1/8以下の場合は階数に算入しない。
屋上や階段室、塔屋など。
1/8を超えているので、階数に加える。
階数は3階である。
※令2条1項八号。
問題は2階なので間違いである。
まとめ
建築物の高さや延床の計算など、序盤に出題される傾向がありますが冷静に計算すれば解ける問題です。
上記のひっかけを誘ってくるポイントや、正解の記述を早い段階でわかったとしても、他の回答との関連もあるので、しっかり最後まで問題を解きましょう。